Online音楽理論/楽典の使い方

このサイトについて

このサイトはOnlineイヤートレーニングの姉妹サイトとして誕生しました。相対音感を身につけるためには背景となっている調性音楽の仕組みの理解なしにはなかなか難しいのですが、サイト内のコンテンツ量が増えすぎて一緒くたに取り上げてしまうとグチャグチャになってしまいそうでした。そこでサイトを分離したのがそもそもの発端です。

そんな訳でコンテンツはOnlineイヤートレーニングの方と密接にリンクしています。こちらのサイトは理論に特化していますので、単独でも十分役に立つように作っていきたいと考えています。ですが、Onlineイヤートレーニングと並行して学習を進めると、より高い効果が期待できます。サイト内のコンテンツは全て一貫したコンセプトの元に作られていますので、おおまかな方針を理解して頂いてから使って頂いた方が便利だと思われます。このページでは大まかなコンセプトについて書いておきたいと思いますので、ご一読の上各コンテンツを利用して頂ければ幸いです。

なんで音楽理論は役に立たない?

「音楽理論は役に立たない」という意見をよく耳にします。実際はそんな事は全然ないのですが、なんでこんな意見が頻繁に出て来てしまうのでしょうか?原因はいくつか考えられます。そもそも勉強するのがイヤだからただの言い訳という可能性もありますが(笑)、以下の3つの点が大きな原因なのではないかと私は考えています。

1. リアルタイムで処理できるレベルまで知識が消化されていない

通常、知識というのはある程度覚えたらそれで終わりとなる事が多いと思います。ですが、音楽というものの性質上、音楽理論を活用するためには即座に知識が出てこなければ活用しづらい側面があります。思い出す間、音楽は待ってくれません。脊髄反射的に知識が引き出せるようにする必要があるのですが、そこまで知識をブラッシュアップする前で学習が終わってしまうのが「使えない」と感じてしまう一つの原因になっているのではないでしょうか?

2. 理論と音が頭の中でリンクしていない

これが最大にして、もっとも乗り越えるのが困難な壁になっていると思います。
そもそも音楽理論は音楽の響きを感覚を元にラベル付けして整理していく事で出来て来た訳です。一見論理的に見えますが、その実はどこまで行っても所詮は「見立て」に過ぎません。まず対象物があってそれに名前を付ける事で頭の整理がし易くなるのが理論であるのに、肝心の対象物がはっきりしないのでは役に立たなくて当然なのではないでしょうか。例えるなら、「犬」という単語は知っているけれども実際の「犬」とはどんな物なのか分からないという状態に陥ってしまうようなものです。言葉だけ覚えても音の理解が伴わなければ、音楽理論は役に立たないというのも当然の結末です。

3. 音楽理論は法律だと勘違いしている

これは食わず嫌いの人にありがちですが、理論はルールでそれに縛られる事になると考えている人がたまにいます。まあ、理論なんて名前がそんな事を連想させるのかもしれませんが、別に理論は法律ではありません。どちらかと言えば囲碁やら将棋やらで言うところの定石のような物と捉える方が本質を突いているのではないでしょうか?解説する都合上、結果的に初期の学習ではある程度の縛りが存在するのは事実ですが、高度なレベルまで進めていけば何でもありに近い状態になって来ますので、これから初めて理論を勉強するという人は出来るだけこういう意見に惑わされないようにしてください。

Online音楽理論/楽典の方針

このサイトを作るにあたっては当然の事ながら上記の問題点の1、2をどうやったら解決できるかを考えました。(まあ、3は解決のしようがないので脇に置いておきます。)幸いにして2の問題に関してはOnlineイヤートレーニングが先行して出来上がっているのでそちらの方と連携していく事ができます。もちろんトレーニングはかなりの努力が必要にはなりますが、対策は十分。問題は1番目の知識の消化の方です。

結局、知識を消化するには徹底的に覚えるという事になってしまうのですが、少しでも負担を軽減するためにこのサイトでは2つの方針を考えました。

1. 暗記すべき項目を明瞭化する

このサイトでは楽典の全てをとりあげる事はしません。ピンポイントで最重要事項を頭に叩き込む事だけを目標にします。

全てを系統立てて学ぶのも大事ですが、それなら楽典や音楽理論の本は沢山ありますし、今さらこのサイトで解説する事に意義はないと思っています。ですからこのサイトでは最重要事項だけをピンポイントで徹底的に煮詰める方向でやりたいと思っています。また、論理的には枝葉末節に感じられても頭の整理に役に立つ項目は積極的に取り上げています。各解説ページの最後には「ポイント確認」という極限まで絞りこんだ最重要事項を設問として用意しています。この「ポイント確認」はスムーズに答えられるまで徹底的に反復してください。(出来れば声に出して覚えるのが効果的です。早口で滞りなく出てくるようにすれば確実に身に付きます。)

2. エクササイズで素早く知識を引き出せるようにする

解説ページと対応したエクササイズプログラムで知識の定着を狙います。迷いなく即座に答えられるようになるまで、繰り返し問題に挑戦してみてください。実は解説よりもこちらの方が大事だと考えています。

以上がこのページの方針です。非常に勝手ですが、全体論に関しては既存の理論書で勉強して下さい。書店で気に入った物を手に取って頂ければ良いと思います。(私自身のお勧めは姉妹サイト内の教則マニアの部屋で取り上げていますが、初心者の場合はもう少し薄くて入門書的な本の方が扱いやすいかもしれません。)では早速本編に入っていきましょう。